コエンマ
JC1巻 | 幽助を生き返らせるための試練を与える |
JC2巻 | 幽助のことを「頭より体が先に動くバカ」と結論付ける。 親父さんが復帰したので暇らしい。 幽助の「徳」を使って炎に巻かれた螢子を助ける |
JC3巻 | 幽助を霊界探偵に任命する |
JC5巻 | 山積みされた難解な事件の中からどれを幽助に依頼するか考え中 |
JC6巻 | 「霊界捜査部の役職に復帰した」とビデオの中で明かす 暗黒武術会開始、人間界バージョンで初登場 |
JC7巻 | 二回戦の前に幽助の前に姿を現し、卵の孵化を予告 |
JC9巻 | 卵の孵化を幽助と共に見守り、生まれてきたプーに大爆笑 |
JC10巻 | 出番無し、女性陣は会場間違えたりしてますがこの時コエンマはどこにいたんだろう? |
JC11巻 | ↑と思ったらしょげかえってる幽助を元気付けに来た。 どうやら幻海が死んでしまったためにいったん霊界に帰ってたらしい。 幻海の伝言を幽助に伝える。 決勝戦では5人目の浦飯Tメンバーとして(脱出ロケットつきで)出場。 |
JC12巻 | 幽助の勝ちに命を賭ける |
JC13巻 | 戸愚呂(弟)が妖怪に転生するきっかけとなった事件があったのではないかと推理、 部下に調査をさせた。「不器用な男だ」とつぶやきながら見送る 幻海を生き返らせる 武術会後、人間界で人為的な力によって界境トンネルが開けられていることに気づく。 霊界が管理できている魔界の範囲はごく一部に過ぎないこと、 妖怪の階級の存在などを明らかにする |
JC14巻 | 黒幕が仙水であることを明らかにし、霊界探偵時代の仙水のことを 幽助たちに語る |
JC15巻 | 「万が一の場合おしゃぶりを取る」と予告し入魔洞窟へと入っていく |
JC16巻 | 仙水に向かって魔封環を放つも、阻止できず 幽助の体を抹消するために霊界特防隊が到着、彼らと親父さんに背き 蘇生した幽助と魔界へ赴く |
JC17巻 | 天沼の命を蘇生させたことを明かす 仙水を見取る 幽助に魔界と人間界のどちらに残るかを尋ねる 人間界を選んだ幽助に幻海へ相談するよう勧める。バンダナ巻いたスーツ姿。 |
JC18巻 | 黄泉側についている蔵馬のもとに訪れる。そろそろ結界を強化しないと霊界にバレるとつぶやく |
JC19巻 | 資料を再点検した結果、妖怪が人間界で働いたとされる悪事の水増し・資料偽造に気づき 親父さんを告発、罷免に追い込む。結果魔界の扉を開けることに成功 親父さんが犯罪者となったため自身もつらい立場に置かれている 正聖神党に審判の門を占拠される 幽助が運命のボタンを押す瞬間、その部屋に自爆覚悟で一緒に隠れていた。 最終シーンでは忙しそうに書類にハンコをついている。 |
★アニメ版では完璧にお笑い要員として扱われているコエンマ様
彼はアニメ版で最も脚色の激しかったキャラかもしれない。
霊界探偵編・武術会編ではジョルジュと共にお笑いコンビのような応援ともつかぬ応援を繰り広げており、原作より出番が増えてはいるものの大抵どうでも良いようなシーンばかり付け加えられている。
特に暗黒武術会時のVIP席を利用しての飽食ぶりはすごかった。(さんまとか焼いてたし…)
さらに魔界トーナメント編では原作では全く応援になど駆けつけていないのに、アニメでは某タキ●ード仮面のコスチュームで登場。そんな暇は無いはずだが。
原作で言えば親父さんを告発して霊界が激変している最中のはずなのだけれど、アニメでは正聖神党の話がカットされていたからこんなに暇してるのだと思われる。
要するにアニメではただの暇人のように描かれている。原作をちゃんと読むと断じて違いますよ。
★コエンマ様の性格について
あの幼児の姿のせいで、アニメではお笑い的要素が強調されているが、実際のコエンマ(原作中)ではあまり楽しんでいる様子が見られない。
むしろ、常に難題を抱えてうんうん唸っていたり、霊界探偵の捜査部という職で仙水や幽助と非常に深いつながりを持ったため、それぞれのつら過ぎる運命に責任を感じたり、挙句の果てに親父さんの犯罪に気づいて告訴したりと、同情を禁じえない大の苦労人である。
そんな彼がおちゃめなことをたまに言ったり笑ったりするシーンは非常に貴重なものに思えてしまう。
人間界バージョンで初対面した幽助に向かって「左様 びびれ」(6巻) とか
お飾りの人数あわせと言われて「ふ… よくぞ見抜いた」(11巻) とか
後ろから声をかけて幽助を脅かすのが趣味だったりとか(しかも反省の色無し)
そーゆーシーンがあるととっても嬉しくなる。
彼が笑顔を見せたシーンは、霊界獣の卵が孵ったときの、プーのあまりのマヌケさに思わず大爆笑しちゃってたときと、
幽助が魔族として生まれ変わったのに性格が全然そのまんまなことに嬉しくなって爆笑してたとき(これは笑い声のみで笑顔は見られない)のふたつ。
基本的には笑うことの少ない、いやそもそも笑顔になれる状況に置かれていること自体が少ない人物と言える。
暗黒武術会の時こそ脱出ロケットを背負っていたけれど、正聖神党に包囲されたときは
「殺るならまずワシを殺れ」(19巻)
と、霊界の統治者としての責任感・潔さを見せた。また、幽助が爆破スイッチを押す瞬間には、幽助と運命を共にすべくその部屋に隠れていた。
責任感が強く、報われない苦労人。
けれど誰にも弱音を吐いたりしない。ものすごく大人っぽい人物。
基本的にアニメ版には賛成しかねるけれど、彼が英語版のDVDで発していた台詞がとても気に入ったので例外として引用。
魔界トーナメントで作品中最強の状態になっている幽助の様子を見守るコエンマ。
「出会ったときは、まだ靴紐もろくに結べないような14歳の子供だったのにな」
大人の包容力が感じられる一言だった。
★暗黒武術会を阻止しなかった決断は果たして正しかったのか
コエンマは武術会時、ダフ屋にこう言っている。
「この大会がストレス発散の場になって人間界での(妖怪の)犯罪件数を減少させている(6巻)」
霊界の権力を行使して暗黒武術会を潰すこともできたのに、この理由で武術会はそのまま開催されてしまった。
けれど後の話では、妖怪の人間界における犯罪件数は、親父さんによって大部分が捏造されたものだったということが発覚している。つまりコエンマが武術会時に言っていた「犯罪件数の数字」は偽物だったわけだ。このことが暗黒武術会の前に発覚していれば、あるいは幽助達は命を張って暗黒武術会に参加する必要も無くなっていたかも知れない。
戸愚呂と戦わなければ幽助も仙水に立ち向かえるほど強くはなっていなかったわけだし、武術会は少なくとも成長の場にはなったのだろうけれど… 無くても何も害は無かったのだと考えると複雑な気分になる。
★仙水との関係について
常に他人との距離を一歩置く彼が、ものすごく他人にこだわっているシーンを見られる相手は、幽助以外には仙水しかいない。
言うまでも無く仙水を霊界探偵に任命したのはコエンマである。
コエンマと仙水の関係は、幽助との関係と同じものだった。
上司と部下、大人と子供。コエンマは仙水を、幽助を可愛がるのと同じように可愛がっていたのかもしれない。
仙水は幽助とは違って小さいときから達観していたから、さすがにからかい甲斐は無かったかもしれないが、それでも子供を部下として選んだだけの負い目は感じていたはずだ。
幽助たちの前では「仙水」と言及していたが、いざ仙水の前に現れると「忍!」と下の名前で呼んでいる。少年時代の仙水を知る者だからこそ。
しかし、仙水の価値観を一変させる出来事のきっかけを与えてしまったのも、コエンマだった。これでは彼のその後の人生に責任を感じざるを得ないのも理解できる。
以前自分の部下だった純粋な少年が、こうして悪者として自分の前に立ちはだかり裏切っているのだから、コエンマの心中を察するととても切ない。
コエンマはその責任を、魔封環を使って仙水と「共に地獄に堕ちる」ことで果たそうとしていた。
幽助が魔族として生まれ変わって、雷禅の力で最後の霊丸を仙水に放ったとき、桑原が「これじゃあの仙水といえども 生きちゃいねェだろうな」と無意識につぶやき、その次のコマに無言でコエンマの複雑な表情をした横顔が映る。その場に居る他の面子には仙水は悪者でしかないが、コエンマにとっては一度はその運命を共にせんとまで決意させた人物だった。そんなコエンマの言葉にし難い心境が、この小さな一コマに表れているのではないかと思った。
ひとつ気になるのが、仙水の体は病巣と化していたということ。
失踪後10年経って計画を実行に移した仙水のことを、霊界にて「なぜ今頃になって…」とつぶやいていたコエンマだけれど、恐らくコエンマは仙水の寿命が近いことだけは知っていたはずである。
なぜならぼたんが「寿命や病死だったりするとかなり(死期の)予定は正確だよ」(1巻)と証言しているから。
これを考えれば、仙水が人間を憎んでいたことと、彼の死期が近いことを知っていたコエンマになら、死に際に魔界へ行きたいと考える仙水の思案をあるいは予測できたかもしれない。結局彼は魔界の穴へこだわる仙水の真意が最後まで判らなかったようだけれど。無論判ったところで仙水を止める力は彼には無かったわけだが…
それから、仙水を霊界探偵に任命したこと自体も少し疑問。彼が若くして病死すると判っていながらコエンマは彼を任命したのだろうか…? そうだとしたらそれはかなり非情な決断のように思える。本当は彼を霊界探偵にはしたくなかったかもしれない。あ… でも黒呼さんの代わりを急遽見つける必要ができて、やむを得ずの判断だったというのもありうる。彼女は霊界探偵時、代わりが見つかり次第やめると言っていたから…。真相はどうであれ、コエンマが仙水に対して多大な負い目を感じていたこと、それだけに仙水がとても大事な人物であったことには間違いない。
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