伝説の同人誌『よしりんでポン!』考察そのC






12.学園危機一髪!! 絵:冨樫義博氏
とある重要キャラ達の女装・女体化ネタなので反転で隠します。
苦手な人・心臓の弱い人は絶対に読まないでください。


(以下引用)
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女装戸愚呂「あたしィ 戸愚呂美咲 どこにでもいる 高校二年生」 『←カゲの番長』

『学園危機一髪!』
『次号より連載スタート!!』
『ウソ!!』

(以上引用)
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こ…これはですね… 実は登場人物は三人いてですね…。
台詞がある戸愚呂と、露出度の高い女体化した蔵馬と、同じく女体化した下着姿?の飛影…です。
戸愚呂は物凄い迫力です、なんたってグラサンつき・マッチョな体型・戦闘態勢のポーズはそのままに、服だけが超ミニのセーラー服…!!(爆)
あのごっつい太ももが! スカートから剥き出しなんですよ!!?
普通の方ならこれ見ただけで倒れるんじゃないでしょうか…。
こんな化けモンがどこにでもいたらとっくに地球は破滅しています。
しかもよく見たら胸の辺りがセーラー越しに突き出してるよーな…。下手な三下妖怪より気持ち悪い…。

さらに問題の残り二人なんですが…
蔵馬が超ミニの上着(下着無し・胸がチラリと見えています)にショートパンツ。
こちらは完全に色っぽいおねーちゃんとして女体化しています…。腰掛けていますが脚線美もバッチリ。
悪女のような挑発的な微笑も浮かべています。怪しいです。でもよく考えたら顔はさして原作と相違ない。しまったー!! もともとなんだ彼の女顔は!!(お前殺されるぞ…)

あと、飛影のほうは… もう一目見ただけでは「この子誰?」ってくらいに顔が変わってます…。
よ〜く見ると髪形が飛影のような気がしないでもないという(笑)。でもページ自体がパロディなので多分飛影なのでしょう。
こちらのほうは上半身のみアップで、縄で縛られてます。キャミ着てます。半泣きです。
目の大きさやキラキラぶりは原作のどの女の子キャラをも遥かにしのぐわかり易さ…。
ホント誰だかわかりません。なので見てもさほどショックではありませんでした(笑)

最初の二人のほうがよっぽど原作の名残があってヤバいです…(爆)

てかこの設定で一体どういう物語が描けるんだよ! トガさん!!!


13, 14.連載を終えて 〜ふり返れば敗北宣言―
(以下引用。原文には改行が一切ありません)
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※結論を早く知りたい方は次ページの最後の行だけどうぞ。

ようやく終了することが出来たという、開放的な快感が正直言って一番大きいです。
作品に対して全く執着がなくなった、というわけではないのですが ストレスが意欲をはるかに上回ってしまった、という感じです。
とにかく終了までの半年間は恐ろしく長く感じました。
実は93年の12月くらいに終わることは決定していました。というより私がムリヤリ編集部に頼み込んだのですが…。
理由を挙げれば大小合わせて50コぐらいあるのですが、だいたい大きな理由は3つです。
@身体の都合上 Aマンガに対する考え方 B仕事以外の欲求
Bは論外です。要するに 遊びたい・休みたい・思いっきり寝たいという類のものですので。
しかし50コの理由の大半は これに当てはまります。
@は今までBが満たされなかったために生じた問題です。連載当初から武術会が始まるくらいまでは、週に休みが睡眠のための半日。
それ以外はほとんど仮眠で、ストレス発散は寝る時間をけずってするという日が続いたのですが、結構楽しんでやっていました。
しかしRPGでいうところのHPは確実に減っていたようで、読み切り31P、巻頭カラーが立て続けに来たあたりで
徹夜をすると心臓に痛みが走り出すようになり、徐々にその間隔が縮まってくるようになりやがりました。
その頃ちょっと真剣に制作のペースについて考えるようになりました。
「規則正しい生活はムリにしても 寝たい時にきっちり寝て描いたら、どの位のペースで仕事が出来るだろうか。」と。
実行しました。原稿がみるみる遅れ出しました。しかしできる限り徹夜はさけました。
この頃から 仕事としてのマンガのとりくみ方が変わってきました。
「仕事で過労死はやだ。ポックリいくなら遊んでいるときか 趣味で原稿描いてるときがいい。カラー原稿こわい。読みきりこわい。」
寝る時間の他にストレス発散の時間もとるようになっていました。
さらに原稿が遅れ出し、仙水と幽助が闘っている頃 第一のピークを迎えたのです

しかしちょうどその頃、今までとは違うストレスが かなりたまっていることに気づきました。
体調を整え、今までのストレスを発散したために生じる新たなストレスです。
「原稿が満足に出きない。」Aの問題発生です。
私は画力で人をひきつけたいという 絵が好きな人なら誰でも少しはもっていそうな野心を極力おさえてもらっていました
新人時代、萩原一至さんの原稿を 当時担当のT氏から見せてもらったからです。正直言って、絵では絶対かなわないと思いました。
しかし「できれば全部一人で描きたい。」という理想はすてられませんでした。
幽遊白書の連載中、何回か一人で原稿を上げたことがあります。全てストレスがピークに達している時です。
理解してもらえるかわかりませんが、原稿が満足にできないことによって生じるストレスを解消する方法が「一人で原稿を上げること」なんです。
その結果 その週の原稿は惨々たるものでした。背景も人物もなぐり描きです。
読み切りのツーショット、鴉vs蔵馬、幽助vs仙水、幽助と雷禅が対面する回はほとんど一人で描きました。
後半の2話は あるハガキの批判の通り、落ちる寸前の半日で19枚上げたものです。プロ失格かもしれませんがそれでも自己満足してました。
すでにその時、「人がどう思おうが どんなに荒れた原稿になろうが 一人で描きたいもんは描きたいんだ。」という気持ちを抑える理由が失くなっていたのです。
残念ですが 幽遊白書のキャラクターで出来ることは、商業誌ベースでは やりつくしてしまいました。
あとは 出来上がったキャラクターを壊していくか、読者があきるまで 同じことをくり返すかしか残っていませんでした。
この本でやったようにキャラを壊す試みはジャンプでは当然ボツになりました。同じことをくり返すに耐え得る体力も気力ももうありません。
そこで常々思っていたことを実行しました。「もし ジャンプで長期連載ができたら自分の意思で作品を終わらせよう。」
アンケートの結果が悪ければ10週で打ち切りというシステムは承知で ジャンプにお世話になりました。逆にそれがはげみとなり、「読者の反響」を意識することで色々勉強ができました。
しかし、それを全く考えないで 自己満足だけのためにマンガ描きたくなってしまいました。その結果できる作品が ジャンプ読者のメガネにかなうとはどうしても考えられませんので挑戦を放棄します。
今までの文章を要約します

わがままで やめました。すいません。

(以上引用)
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これこそ、原作者の血の叫びでしたね…(苦笑)
毎日ほとんど仮眠で、ちゃんと寝てたのは週一回(しかも半日)だけだって。
これが週刊漫画家の実態なのかと思うと、身の毛がよだちます。私には絶対に出来ません。やろうと思っても出来ませんこんな生活。死んでしまったほうがましです。
過労でこういう漫画家が死んでしまったとしてもおかしくないですよね…。
そういえば原作の余ったページに、自分の生活における時間の計算式を編み出して載せていたことがありましたよね、彼。
余白にも「テクマクマヤコン 一日が40時間になぁれ」とあったのも思い出します。あんな小さなところにも苦悩は痛いほど表れていました。

絵で一番になれないなら、全て自分で原稿を上げて自分を納得させる、という考えは個人的に非常に共感できます。
自分にハンデを与えることで・あるいはハンデをあえて享受することで自分を追い込み、その中できちんと結果を出せたということ自体が満足感につながるわけです。
私の数ある例の一つを挙げると(笑)半端じゃなく厳しいスケジュールとストレスにさらされていても、決して弱音を吐かないこととか、
おまけにサイトまで運営しちゃってたりとか、ちょっとやそっとの事では誰にも真似出来ない努力がこのサイトの裏には隠れていたりするわけです。
こういう過酷な状況の下ですべてを両立させること(留学生だけど成績オールAとか、ピアノの練習はきちんとやるとか、心身ともに図太く健康であるとか笑)に自己満足を得ているという具合。
本当はこのうちひとつだけでも達成することは難しいというのにです。
しかもそのハンデを失敗の言い訳にせずきちんと結果にこぎつけることこそ重要。
完璧主義者にこの傾向は多いんじゃないかと思います。
もちろん忙しいスケジュールの合間を縫ってサイトを運営してらっしゃる方はたくさんいると思うし、むしろそっちのほうが多いと思いますが、
自分の苦しみは自分にしかわかりませんし、他人と比べようもないので別に嫉妬することもないです(笑)→逆にそういう方を見かけると「すげーなー」と心底尊敬してしまいますv
別に弱音を吐いてる人を責めるつもりもないし自慢したいわけでもないんです。自分の中で完結してしまっている、単なる譲れないプライド。そういうものを私は持ってます。
サイトの表面しか見ることのできない読者様にはまったくもってどうでも良い話ですよね。すいません;
でもこれ、冨樫先生がここに書かれた、この心境に近いと思うんですがどうでしょう。
ま、今のところ冨樫先生と違って私の場合はすべてが同時達成可能なくらい甘い状況に置かれているのだから、比較するのも本当はおこがましいんですが。

無駄話が過ぎました。
話を戻すと、「幽助vs仙水、幽助と雷禅が対面する回」はもうあからさまに線が荒れまくりですね。どうしたんだ大丈夫か冨樫?と当時は思ったものです。
ツーショットや鴉戦の話は、ファンからの人気が高い回ではありますが裏には原作者の凄まじい執念と苦悩が隠されていたんですね〜。
ちなみにツーショットがもし無かったら、蔵馬と飛影の出会いを自由に読者が想像できて、それこそ二次創作の格好のネタになっていたでしょうに(笑)ごめんなさい、邪な考えをしてしまいました。

ホント、トガさんはこの後どれだけ自由をかみ締めたのか知れませんね。
リハビリ的な次回作『レベルE』を始めたときはもう完全に回復していたんでしょうか? こちらは月刊だったのでまだペースはましだったとは思いますが…
今はHxHを連載してらっしゃって、しかもとうに幽白の19巻をとうに超える長編となっていますが、
噂に聞く本誌での果てしない休載(笑)や殴り書きのネームをそのまま掲載するなどの行動を見ると、週刊少年ジャンプ、

もういい加減トガさん休ませてやれよ。ホントもういいから。


と本気で思います(HxHファンの皆様すみません。作品を否定する気はないんです)
いや別に、この10年前の文章を見て同情しても仕方ないんですけど、
この文章読んでかつ今のジャンプ連載における行動を見ると、そう思わざるを得ないというか。同一人物だよな〜というか。
もうさ、奥さんもいるし息子さんもいるし、億万長者だし、悠々自適にゲームとかして遊んで暮らしてくれたらいいよ。
プロの漫画家としてやっていく気力が殺がれてしまったんじゃないすかね。彼に罪は無いです。
本当は今、我々がHxHを作品として読めるだけでも、めっけものなんじゃないでしょうか。

(考察Dへ)